エージェント・作品紹介
【企画要項】出版社、編集者の方へ
―当会プロデューサーが紹介可能な作品―
著者名 神代 礼音さん(女性)
タイトル『夜嘆きの城』―ヴァルテンブルク家の呪縛―
ジャンル ゴシック・ホラー小説
(400字詰め原稿用紙 約330枚)
作者プロフィール
1975年生まれ。神奈川県出身。大学でヨーロッパ中世史を専攻後、建築史研究のため渡欧。古城や修道院の調査に携わる中で、建築物に宿る「記憶」や「怨念」に魅了される。帰国後は翻訳業の傍ら、ゴシック文学の研究を続け、特にアン・ラドクリフやエドガー・アラン・ポーに影響を受けた作風を確立。本作は5年の歳月をかけて完成させた渾身の長編作品。
梗概書
舞台は、架空の国モンテリア公国の山岳地帯に聳え立つヴァルテンブルク城。
主人公のエレナ・ヴァルテンブルクは、18歳で初めてこの城を訪れる。彼女は幼い頃に母を亡くし、遠縁の叔母に育てられたが、父である城主カルロ伯爵から突然の召喚状を受け取る。「血を継ぐ者は、必ず城に戻らねばならない」という一文とともに。
城に到着したエレナを待っていたのは、陰鬱な父、病に臥せる継母イザベラ、そして異母兄ダミアンと異母妹ルチア。血のつながった家族でありながら、彼らは互いに秘密を抱え、疑心暗鬼に囚われている。
城は迷宮のように複雑で、東棟の回廊は「決して立ち入ってはならない」と禁じられている。だが、夜になると、その回廊から女の泣き声が聞こえる。使用人たちは「夜嘆き姫」の幽霊だと囁く。
やがてエレナは、城の壁に刻まれた古文書の断片、隠し部屋に残された肖像画、そして地下墓所に眠る一族の秘密を辿るうちに、恐るべき真実を知る。
ヴァルテンブルク家には、300年前から続く呪いがあった。
―― 代々の当主は、自らの血族によって命を奪われる運命にある。
そして、その呪いを解く鍵は、エレナ自身の出生に隠されていた。父が彼女を呼び寄せた真の理由、母の死の真相、そして城に閉じ込められた「夜嘆き姫」の正体――すべてが、恐ろしい連鎖の中で明らかになってゆく。
嵐の夜、ついに呪いが動き出す。家族の誰もが疑わしく、誰もが犠牲者となりうる。エレナは、呪縛を断ち切ることができるのか、それとも運命に飲み込まれるのか――。
第一章 召喚
エレナ、ヴァルテンブルク城へ。冷たい歓迎と不穏な予感。
第二章 禁じられた回廊
夜ごと聞こえる泣き声。城に秘められた禁忌。
第三章 血の肖像
隠し部屋で発見された、消された一族の記録。
第四章 地下の真実
墓所に眠る遺体が語る、恐るべき過去。
第五章 予言の成就
家族の中で次々と起こる不可解な事件。疑念と恐怖。
第六章 嵐の夜
呪いが動き出す。明かされる血の秘密。
終章 夜明けの城
呪縛を断つ者は誰か。そして、城は沈黙するのか――。
読者は、古城の石壁に染み込んだ歴史と怨念、血族の業と愛憎が織りなす、戦慄のゴシック・ロマンに引き込まれるだろう。
企画の意図
日本の小説市場において、本格的なゴシック・ホラーは希少である。本作は、19世紀ヨーロッパのゴシック文学の伝統を受け継ぎながら、現代の読者が共感できる心理描写と、精緻な伏線回収によるミステリー要素を融合させた。
城という舞台装置は、単なる背景ではなく、物語そのものを動かす「生きた存在」として機能する。迷宮のような構造、禁じられた部屋、隠し通路、地下墓所――すべてが呪いの歴史を物語り、登場人物たちを追い詰めてゆく。
家族という最も身近な存在が、最も恐ろしい敵となりうる――その普遍的な恐怖と、血の呪縛からの解放という深いテーマが、読者の心を揺さぶる。映像化を目指し、視覚的な世界観を持つ作品である。
読者ターゲット
・20〜50代の女性読者(特にゴシック、ダークファンタジー愛好者)
・ミステリー・ホラー小説ファン
・海外文学(特にゴシック文学)の愛読者
・『レベッカ』『嵐が丘』『ジェーン・エア』などの古典的名作の現代版を求める読者
A文学会から一言
石造りの回廊を歩くたび、冷たい視線を感じる。壁に掛けられた肖像画の目が、じっとこちらを見つめている。夜になれば、遠くから女の泣き声が聞こえてくる――。
城ほど、人間の業と歴史を封じ込めるのにふさわしい舞台はない。
作者が描くヴァルテンブルク城は、まさに「呪われた記憶の器」である。何世紀にもわたって積み重ねられた秘密、憎悪、裏切り、そして愛――それらすべてが石壁に染み込み、今も城の中で息づいている。
主人公エレナは、血の呼び声に導かれてこの城へ辿り着く。だが彼女を待っていたのは、家族という名の牢獄だった。父の冷たい眼差し、継母の怯えた表情、兄の不穏な微笑み、妹の狂気じみた囁き――誰一人として信じることができない。
本作の真骨頂は、家族という最も親密な関係が、最も恐ろしい脅威となるという構造にある。血はつながっているが、心は決してつながらない。むしろ血こそが、彼らを呪いへと縛りつける鎖なのだ。
そして圧巻なのは、城そのものが持つ存在感である。迷宮のような回廊、決して開かない扉、壁に刻まれた暗号、地下深くに続く階段――城は単なる舞台ではなく、登場人物たちを操り、運命を決定する「意志ある存在」として機能する。
読者は、エレナとともに暗い回廊を彷徨い、禁じられた扉を開き、恐るべき真実へと近づいてゆく。そしてページをめくる手が、恐怖と興奮で震えることだろう。
ラストに用意された「呪いの正体」と「血の秘密」は、読者の予想を遥かに超える衝撃を与える。それは単なるどんでん返しではなく、人間存在の根源に触れる、深く暗い真実である。
――これは、日本のゴシック小説に新たな金字塔を打ち立てる、戦慄の傑作である。。
ご紹介可能な有効期限
2025年12月27日
より詳細な情報をご希望の方は、下記メールまでお問い合わせください。
info@abungakukai.com A文学会( 国内企画担当 )
〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-15-2F
TEL 050-6880-0737(IP電話・FAX)







