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エージェント・作品紹介

【企画要項】
  出版社、編集者の方へ
    ―当会プロデューサーが紹介可能な作品― 
   著者名  ヘレン  大多喜さん (女性)

   タイトル 『ビーツサラダ事件
  
ジャンル 小説(400字詰め原稿用紙197枚)

作者プロフィール

・クリニカルサイコロジスト(大学病院/学校/個人契約臨床)
・現在、介護生活に励む専業主婦
・「癒えない魂」文芸社 2008年2月15日(公立総合病院にて一番多く売れた)
・群像新人文学賞に2020年応募


梗概書

1章……暁あかね六十五歳と夫、慶伊八十歳。海外旅行でビーツのサラダを食べた。慶伊は戦時下育ち。理想的な養育環境ではなく、甘えられなかった。

2章……研究者として会社員人生を送った慶伊は、人格にミクロな狂いがある人物とも一緒に働き、能力を発揮させた、それは、ストレスフルな仕事生活だった。デヴァースィティの観点とは、多様な人間がいる中で、自分自身がストレスにならないように対応して生きてゆく術を身に着けること。

3章……人格にミクロな狂いがある人物によってストレスフルになる暁夫婦。デヴァースィティを自分なりにどう生きるか、夫婦で議論する。

4章……慶伊は四十歳代半ばから肛門粘膜脱の症状があり、退任した七十七歳迄治療せず悪化させ、妻に甘えっ切りになった。妻のあかねは病人介護に疲れ死んで楽になりたくなり、考えた。夫婦は「互いに愛し合えている」と確信していないと、介護生活は続けられない。サイコアナリスト大家の名言『日本人の男性には、三人のママが必要』のワケ。

5章……愛し合っている男女が互いに生き残るための、夫婦間の介護の方法。

6章……大物の肛門粘膜脱の手術と、リハビリと、甘えと介護。臨床とエロス。

7章……ミクロな狂いのある人物に出会ってしまった時、予期せぬ身体の異常が出現した時、動揺する自分に、ゴルゴ13の目が必要。ビーツサラダ事件の顛末を象徴的に、プレイフル(Playful:遊びに満ちている)にいきいき生きる夫婦。

8章……エイジング(aging:加齢)を生きる人間のリアルな姿。真実であり、愚痴でもある無意味の本音。新しく生まれ変わる自分を楽しみに、必要以上にシリアスにならないバランス感覚があるか。

 

企画の意図

 デヴァースィティ(多様性)とは、自分とは異なり好きになれないものと、どう付き合うかの問題だ。この追及は、幸せの満足を感じる生き方を考えることだ。デヴァースィティの観点を明確にすることがひとつの意図である。敷衍して、人間の「生老病死」を、”臨床”とエロスの観点から描写した。

 誰もが覗きたい男女の世界を面白く描いたこの物語の中で、人間の成熟やエイジングを、フィジカル、メンタルともに詳しく言葉で描写した。また、愛し合っている男女と病気との対峙の方法に、新しい見解を提案した。人は自分が生きている状況や自身の気持ちもよく解らず、言葉にできないものだ。この本では、そこに言葉を与えられるから読者はスッキリする。

 医療従事者や弁護士、その学生に役立ち、必ず読むべき本となる。また、患者や家族、人間ドックを受ける患者に向け、必ず購入すべき本という設定にすれば、患者の助けになる。

 

読者ターゲット

 50歳以上の大人。また、医療従事者、ケアワーカー、患者や家族、医療従事者になろうとしている学生、人間ドックを受ける患者、弁護士。医療従事者や弁護士やそれらを目指す学生の副読本(サイドリーダー)として、毎年購入され、必ず読むべ一冊となるはずです。

A文学会から一言

  創作には、いわゆる予告ホームランのような作品、つまり読み手の予感がひとつひとつ当たっていくような作品と、当初の予想が豪快に裏切られる、サプライズ重視の作品がある。『ビーツサラダ事件』は後者の典型で、常に多様性(Diversity)や政治的正しさ(Political correctness)を考慮せねばならない現代人の息苦しさを描いた物語と受け取って読み進めると、始まって三分の一ほどで大きなうっちゃりを食らうことになる。

 主人公は、上品で知的好奇心が旺盛だがやや視野の狭いアッパークラスの女性で、高学歴かつ研究職に従事する夫と二人暮らし。大きな変化に揺さぶられることは少なそうな境遇だが、実はこの夫が日常生活に不便をきたす「とある症状」を抱えている。この、個人の尊厳を深刻に脅かしかねない「とある症状」こそが本作の核心かつ爆弾である。本来ならば同様の症状に悩む患者や家族にお見舞いを申し上げるべきところだが、心苦しいが好奇心と怖いもの見たさで目をそらすことができない。患者(夫)の、自己の症状への対処方法と振り回される介護者(妻である主人公)の行動描写は、きわめて具体的かつ執拗で、奇妙に魅力的ですらある。まざまざと映像が浮かぶ記述だが、文章表現ならではの恐ろしさに満ち、残酷なおかしみがある。

 思想信条、主義主張は人の頭が生み出すものだ。肉体に裏切られ続けたとき、それらにかまける余裕は残っているのか。多様性(Diversity)や政治的正しさ(Political correctness)という考えは、昨日今日生まれたものではなく、常に家庭生活の足元にひそみ意地悪に我々を試しているのではないか。主人公の視野の狭さが、むしろ説得力をもたらしている作品だ。

 

ご紹介可能な有効期限

2022年12月28日(水)

より詳細な情報をご希望の方は、下記メールまでお問い合わせください。

info@abungakukai.com    A文学会( 国内企画担当 )
〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-15-2F
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