エージェント・作品紹介
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―当会プロデューサーが紹介可能な作品―
著者名 佐野 莉菜 さん (女性)
タイトル 『はずれてほしい震災Xデ-』
ジャンル エッセイ (400字詰め原稿用紙106枚)
作者プロフィール
1973年東京都生まれ |
梗概書
タイトルに震災予告を掲げていますが、幼少期からの数々の出来事、少し荒れていた青春時代、苦しい恋愛、結婚、出産、子育て、身内の借金、うつ病、離婚など波乱に満ちた人生をコミカルに書いた作品です。
寺社仏閣や日本史が好きな私は、自分なりに今の政治に至るまで歴史の分析を重ねました。聖徳太子の予言が存在していることも明らかです。 |
企画の意図
地震が来る日を導き出せてしまっているかもしれない。その事実から逃げ、もし本当にその日や時期に地震が起きてしまったとしたら、後悔することになると思いました。たくさんの人々に戸惑いを与えてしまうことについて、申し訳ないという気持ちもあります。結果的に予言のようなものになってしまい、正直、とても怖いです。家族にも反対されました。
それでも、はずれてほしいけれど、導き出してしまった以上、人として黙っているのは、違うのではないか。その気持ちを抑えることができませんでした。 息子、親、姉家族、友人のことを思い、私自身誰よりはずれてほしいと願っています。
そして、はずれたとしても、読まれた方の防災意識が高まるのであれば本望です。災害が起きてしまったその時に、一人でも多くの命が助かることを願い、勇気を振り絞って書きました。
読者ターゲット
関東、東海地方にお住まいの方。占いや四柱推命に興味がある方。
前半部分は、浮き沈みの激しい人生をコミカルに書いているので、いろいろな世代の方にも読みやすくなっていると思います。政治について、不満を感じている方にも読んでいただきたく思います。
A文学会から一言
いかにも不穏なタイトルにつられて思わず手に取ると、そこには地に足のついた、「一生懸命な」と形容するしかない自己の歴史が披歴されている。読んでいるほうがはらはらしてくるような、まっすぐな着飾らなさである。
幸運を全身で享受し、人目を気にして隠したりなどしない無邪気さを見せるいっぽうで、人ひとりの息の根を止めてしまいかねない不運を、なんの盾もなく受け止めてしまう。不運にみまわれたくだりでは、読み手も知らず知らず息をつめているのではないだろうか。
作者の現代人らしからぬ素直さにいくぶん翻弄されて読み進めるうちに、「あれ? 私たちの生活を脅かす災厄についての詳細な情報は?」と首をひねることになるかもしれない。「根拠」「証拠」を求めるむきには物足りない部分もあろう。だが、私たちがある種の予言と向き合うときに、「証拠」がどれだけ重要になってくるのだろう。明確と言われる根拠を並べれば並べられるほどに、身を引いてしまうことはないだろうか。
作者はそれを諒解しているのだろう。要は信じるか信じないかであって、そこに至るまでのプロセスで要求されるものは、必ずしも学問的な要素だけではないのだと。
作者が自身の良心に従い、公開に踏み切った作品である。
ご紹介可能な有効期限
2024年12月27日
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