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エージェント・作品紹介9

 【企画要項】
  出版社、編集者の方へ
   ―当会プロデューサーが紹介可能な作品― 
   著者名 丸   和 さん (女性)

  タイトル 『水槽の魚』
   
ジャンル   恋愛小説  (400字詰め原稿用紙241枚) 

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作者プロフィール

愛知県名古屋市出身、東京都在住。名古屋市工芸高等学校 デザイン科 卒業。
子供の頃から画家を目指していたが、何故かピアノに関係する仕事に就く。
7年ほど前から小説を書き始める。好きな作家は横溝正史さん、東野圭吾さん。
音楽と美術と阪神タイガースが好き。特技 ピアノで作曲

梗概書

 経済的に不自由のない家に生まれ育った愛梨は、学校を出たあとこれといってやりたいこともなく、流れに身をまかせるかのように結婚した。その結婚が無残にも失敗し、傷ついて実家に戻った愛梨の前に現れたのは、運転手の山本だった。慇懃で年齢不詳、感情の触れ幅がほとんどない山本に対し、愛梨は不快感と、致命的な好奇心を抱く。その好奇心は必然的に渇望へと変わった。

 愛梨の知る男女の駆け引きは、自身の魅力に信を置いたストレートなものだ。面白がっているのか呆れているのか、山本は業務に徹した反応しか見せず、あるべき関係性から逸脱しようとする愛梨を目だって叱責もしない。苛立つ愛梨は、「この男を自分のものにする」目的だけに脳内を占領されていく。

 彼女の粘りと幸運が功を奏し、二人の距離が近づいたかにみえたとき、山本は姿を消してしまう。背信ともとれる行動に、相手を憎んで乗り切ろうとする愛梨だが、うまくいかない。何事もなかったように再び姿を現した山本は、いったん近づいた距離などとうに忘れたかのようだった。

 だが愛梨も、ただプライドを傷つけられただけの小娘ではなかった。執念を見せて追い詰める彼女に、さすがの山本も揺らぐ。しかしここで、二人の様子にただならぬものを感じ取った家族から「待った」が入る。さながら開放されたかのように、今度こそ山本は姿を消した。

 再婚し、常識的で穏当な夫の間に一人娘をさずかっても、ときどき愛梨の記憶に狂気めいた情熱の記憶が蘇る。山本との思い出のつまったキーホルダーをなくしたと思ったときには我を忘れて車の床をのぞきこみ、また街角に黒塗りの車と運転手の姿を見たときには、山本の面影を捜して振り返るのだった。

企画の意図

 ちょっと不思議な男「山本」というキャラクターを思いついた時、なんとしてもこの男を描ききりたいと思いました。
恋愛小説という形をとりましたが、「山本」という男の不思議な魅力を一緒に味わっていただきたいと思います。

 恋愛は人生において欠かせない要素だと思いますが、たくさんの恋愛を楽しむのもひとつ。しかし、生涯忘れられない人がたったひとりいるというのも人生の良いスパイスになるのではないでしょうか。それも一緒に味わっていただけたらなと思います。
「山本」はとても気に入っているキャラクターなので、もしかしたら今後の作品の中に登場させるかもしれません。

読者ターゲット

 我を失うほど思いっきり人を好きになってみたいという若い女性。そんな恋をしたなと振り返る年代の方。今まさにまっただ中という方。恋する女の子の心理を知りたいと思う男性。

A文学会から一言

 好きになってはいけない相手を好きになってしまう。恋愛小説の、古典的かつ永遠のテーマを扱った作品だ。

 資産家の娘と運転手とは昭和から蘇ってきたかのような関係性だが、それぞれの個性はかなり現代的だ。まずヒロインは、性格的にあまり芯といえるものがなく、どちらかというと享楽的で、易きに流れる傾向にある。人の思惑にこづきまわされるところはコミカルといっていいほどだが、そのヒロインがおそるべき我をみせて運転手の山本に執着していく。「好きになってはいけない相手を好きになって」しまったときの、抑制も葛藤もみせないところには底知れぬものがある。

 相手の山本は、年齢不詳だが愛梨よりかなり年上であることには間違いない。かつては荒々しい業界に身を置いていたのではないかと思わせるたたずまいがあり、読むほうからしてみれば愛梨の一方的な感情の不利は明らかである。ここでポイントになるのが山本の寡黙さで、無礼にならない程度に言葉数は多いものの自らのことは黙して語らない彼の様子から、「もしかしたら、どこかで心が動いているのか」と思わせる技がスリリングである。

 作中、愛梨の気まぐれにつきあって山本は郊外から都市へとフットワーク軽く車を走らせる。移りゆく情景と季節。そして愛梨も山本も、恋愛小説の主人公にふさわしい容姿の持ち主だ。浮かぶ映像が印象的な作品でもある。

ご紹介可能な有効期限

2018年12月28日(金)

より詳細な情報をご希望の方は、下記メールまでお問い合わせください。

info@abungakukai.com A文学会( 国内企画担当 )
〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-15-2F
TEL 050-3414-4568(IP電話・FAX)

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