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エージェント・作品紹介3

【企画要項】
出版社、編集者の方へ
―当会プロデューサーが紹介可能な作品―           
著者名   山内 ゆう さん(男性 

タイトル 『夏の調べ』

 ジャンル   純文学小説(400字詰め原稿用紙86枚)

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作者プロフィール

京都市生まれ福井県勝山市出身。現在福井県在住の28歳男性。
京都産業大学経済学部中退。ビジュアルアーツ専門校大阪放送映画学科卒業。
特技:バドミントンで全国大会への出場歴有り。
好きな作家:村上春樹さん、吉本ばななさん、河合隼雄さん、山田太一さん。
好きな映画:ビリギャルと聲の形。

梗概書

主人公は高校生の女の子。たみ子。たみ子に近しい友人や家族、大切にしている人々との夏休みの出来事を書いた。主人公は幼い頃に両親と離れ、児童養護施設で育ち、今は女子高の女子寮でクラスメイトや友達、後輩と暮らしている。何もない田舎からバスに乗ってたまに隣町まで買い物などに出かけるのだが、ある日、知らないけれどもどこか懐かしい感じのする女性が運転するバスに乗りイエロー村へと旅をする。本当の家族の在り方、大切にしなければいけない福祉の考え方や社会的弱者の特に年齢の低い女の子の生き方を書いた。活字離れが進む現代で、コンセプトは「小学生から始める純文学」にしたつもりで書いた。

企画の意図

助けて。という人がいたら助けてあげる。というのが福祉の本来の姿であると同時に、知ってから関わるという福祉を仕事にする上での基本がある。双方両極端な考え方だが、著者自身、知らずに関わった福祉の怖さというものを体験したことがあり、何気ない日常、とくに若者たちに対して日々の不自由ない世界的にみると贅沢な暮らしについて何か思い直してほしいと考える。

 

読者ターゲット

  10代後半~30代くらい。

A文学会から一言

  本作の主人公「たみ子」は高校に通っている。ということは、いわゆる「大人」ではない。とはいえ中学生からは親しみをこめて「おばさん」と呼ばれることもある。ここまでは現実でもありそうな設定だが、たみ子を「おばさん」と呼ぶ女子中学生は、実のところシングルマザーとなってさらに幼い女児を育てている。とはいっても、凄惨な話ではない。女子中学生「ゆり」は、さながら役所から支給され従順に受け取ったかのように、疑問を抱かず女児「楓」の子育てに励んでいるのだ。

 本作の世界で、大人と子どもの区別をつけるのは難しい。饒舌なたみ子とゆり、楓のやりとりを追うと、作中では女子高生・女子中学生・幼い児童である彼女らの姿は、もう少し年かさの少し疲れた現実の家族の心象風景なのではないかと思えてくる。

 作中で彼女らは血縁者の愛情に恵まれているとはいいがたく、そのせいかたみ子は「一人でいるのが苦手」と述懐しているが、客観的に見るたみ子は甘え下手だ。突発的に激情をぶつけあうゆりと楓に比べると、不自由なほど身勝手ができない。
 ここにあるのは、コミュニケーションですら埋めることのできない寂寥であり、永遠に続くように見えて一瞬で消え去ってしまうコミュニティだ。

 二学期の始業式のあと、いつものようにおしゃれな服装をしたゆりに対して手を振ったあとのたみ子の言葉は身につまされる。「この村には電車はない。学校もない。焼肉バーガーが売っている肉屋もない。噴水もないし公園もない。隣町に行ってもショッピングモールはない。商店街もないし誰も居ない。」見知った世界が不意に消えても、悲しみすらものすごい勢いで過ぎ去ってしまったかのような、純粋な違和感がそこにある。

  人によって受ける印象は大きく異なるかもしれないが、紛れもなく現代的な作品である。結晶のように硬い寂しさを、「寂しい」という表現を使わずに書いた物語である。

ご紹介可能な有効期限

2018年12月28日(金)

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info@abungakukai.com   A文学会 ( 国内企画担当 )
〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-15-2F
TEL 050-3414-4568(IP電話・FAX)

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