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エージェント・作品紹介

【企画要項】
 出版社、編集者の方へ
  ―当会プロデューサーが紹介可能な作品― 
  著者名   鈴木 良太  さん(男性)

  タイトル 『片隅の彼』
  ジャンル  大衆小説、社会派小説、人情小説
(400字詰め原稿用紙525枚)

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作者プロフィール 

1973年東京生まれ。日本福祉大学卒業。
ひきこもりの方々の支援を行うNPO法人の理事長などを経て、現在は社会福祉士として、いわゆる「社会的な入院」を余儀なくされてきた精神障害者の地域移行支援、看取りを前提としたグルーホームに勤務。

梗概書

就職超氷河期といわれていた頃にSEとして大手企業に勤め始めた私だが、その年の春、自分でもよく理由のわからないまま、仕事を辞め、それから読書をしたり、DVDを観たり、毎日のんびりと好きなことをして生活をしていた。そんなある日、もう十年以上顔を合わせることすらしてこなかった伯父から、そんな生活をしているのなら自分の仕事を手伝うように言われる。

伯父が運営するひきこもりの支援を行うNPO法人の仕事と、その絡みで今度立ち上がるひきこもりの自助グループのスタッフとしての仕事だった。もちろん、私は最初伯父のこの申し出を断った。私にはひきこもりなどに何の関心もなかったからだ。だが、結局私はこの伯父や伯母に頭が上がらず、その話を受けることになる。最初渋々その仕事を手伝っていた私だったが、ひきこもりの若者たちが時折覗かせる生きることへの不安や悲しみ、怒りなどに触れるに連れて彼らのことが放っておけなくなる。

特に「東風」という一人の青年のことを時に疎ましく思いながらも、構わずにいられなくなる。同じひこもりの経験者で社会福祉士の資格も持つNPO法人の「居場所」の世話人である「宮内」のアドバイスを受けながら「東風」を始めひきこもりの若者たちのために私はやがて本気で尽力するようになっていく。

企画の意図

過去に私自身がひきこもりの支援者として、世間の人が漠然と持っている「甘え」や「怠け」とはまるで違うひきこもりの青年たちの個性や人間性に直に触れて参りました。

これまでひきこもりに関する様々な本が出版されたことはありますが、実際に現場で長年支援に携わってきた人間による、それも小説という形でひきこもりに関して語った本は皆無だと思います。間近で彼らに接してきて、彼らの本当の声を多くの人に知ってもらいたいというのが執筆の大きな動機の一つでした。

手前味噌ですが拙作ほどひきこもりの青年たちの生の声に肉薄した本は過去になかったと断言できます。現在8050問題なるものが社会問題化されていますが、ひきこもりは今後再び必ずまた世間の耳目を集めます。その際、ひきこもり叩きもまた起こるでしょう。しかし、その際にも本書はひきこもりの方々のためのよき教本にも寛解の書にもなると自負しております。

読者ターゲット

・ひきこもりの当事者たちの多くは本を読むエネルギーもないが、それでも私の目算で回復傾向にあるひきこもりの総数の二割ほどの人たちが読者になる可能性は極めて大きい。

・またひきこもりの周辺にいる俗に「ひきこもり親和軍」と呼ばれる人たち(現在ひきこもりの総数は俗説で300万人と言われていますが、親和軍はそのおよそ1.5倍いるといわれています)。すなわち、ひきこもりではないが、心情的に彼らに共感しつつ社会生活を送っている人たち。あるいは、最近よく言われる「生き辛さ」を抱えている多くの人たちとでもいえばいいでしょうか。

・ひきこもりを持つ家族。これまで当時者による手記や精神科医による教本、あるいは、ジャーナリストによるルポなどが発表されたことはありますが、当事者による手記はあくまで個人的なものであり、精神科医の教本もジャーナリストのルポも最大公約数をなぞっただけのようなものが殆どです。身内にひきこもりを抱えている人たちは、身内たるひきこもりの本当の声に飢えています。本書はその家族の気持ちに充分答えるだけの内容を伴っていると自負しております。

A文学会から一言

 今月(2018年11月)神奈川県横浜市で、自宅で死亡した70代の母親の遺体を放置したとして40代の息子が逮捕された。報道によると、長年のひきこもりで他人との会話がほとんどできない状態、取り調べに筆談で応じたとのことだ。ひきこもり年齢の高齢化は親が80代、子が50代の年齢をとり「8050問題」として近年ことにクローズアップされるようになった。

 本作は、水面下で深刻な様相を呈するひきこもり問題に真正面から向き合った作品だ。とはいっても「このように取り組んでいる」「こういった活動例がある」といったケーススタディではなく、ましてや提言でもない。優柔不断が災いしてひきこもり支援のNPOに参加することになった青年の物語である。
執筆姿勢に一切の逃げがない作品がたいていそうであるように、本作も安易な解決を提示していない。むしろ主人公の理解が進むほどに、まじめに向き合おうとするほどにひきこもり問題の根の深さが明らかになっていく。その様子はほとんど悲劇的ともいえる。

 このように「アンチ解決」の本作だが、きわめて実用的な作品だ。それは「ひきこもりとは」といったあいまいな定説をつきぬけて現実をつきつけてくるからだ。その実用性が、緊張感の合間にのぞく計算されたユーモアとあいまって、場違いな、といってもいい希望を掻き立てる。
まさに現代の世に必要なのは、この作品に見られるような現実に対する腹の据わった態度と、場違いな希望なのではないだろうか。

ご紹介可能な有効期限

 2019年7月31日(水)

より詳細な情報をご希望の方は、下記メールまでお問い合わせください。

info@abungakukai.com  A文学会( 国内企画担当 )
〒105-0013 東京都港区浜松町2-2-15-2F
TEL 050-3414-4568(IP電話・FAX)

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