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エージェント・作品紹介6

2019年04月10日(水)2:45 PM
 【企画要項】
   出版社、編集者の方へ
      ―当会プロデューサーが紹介可能な作品― 
    著者名 佐藤 基江 さん  (女性)

    タイトル 『東尋坊さん』
     ジャンル   時代小説  (400字詰め原稿用紙134枚)

作者プロフィール

1977年3月 一宮女子短期大学幼児教育学科 第3部卒業
幼稚園教諭、一般企業勤務を経て執筆をはじめる 
夫、子ども、孫あり

梗概書

1章 熊本

2章 旅立ち

3章 身延山

4章 満徳寺

5章 放浪

6章 仇討ち

 主人公の千代と一之進は、幼馴染みで許嫁から夫婦になった。
一之進は熊本城勤務だったが、同僚に千代が陵辱され辞めてしまった。


 夫婦喧嘩が酷くなり、千代は上司の計らいで密かに身延山に出家が決まり一人旅立った。
何も知らされていなかった一之進は、兄のような存在の岩之助に相談し、自分も千代を探す旅に出た。

 身延山で得度を受けた千代は厳しい修行に堪えていた。指導する僧の司良はそんな千代に恋をしてしまう。一之進は、岩之助の紹介の寺で僧となり托鉢をしながら千代を探し続けた。辿り着いた身延山で見つけ連れて行こうとしたが千代は拒否し、黙って駆け込み寺満徳寺に逃げてしまった。満徳寺の尼なつが身延山に行き千代が来たいきさつを説明した。そこで面会した司良に一目ぼれした。司良は千代が無断で出て行き、その恋心に苦しみ首つり自殺した。

  なつは、司良の死を知り、原因が千代と聞き千代に辛く当たるようになった。一之進は、満徳寺まで千代を追って来たが会えずに酒乱と化し往来で野たれ死にした。そのことも攻めら千代はまた黙って出てしまった。

 男の僧に変装し旅を続ける千代は、世話になった村で心癒され前向きに生きようとした。しかし、足に怪我をしたことで、旅を続けられなくなり海岸の崖淵に立ち自ら転落死した。岩之助は、千代と一之進の死を知らぬままに仇討ちを果たし自分も斬られて死んだ。

企画の意図

 人間関係の難しさ。意思疎通の大変さ。時代も貧しさもあるが、自分のやりたいように好きなようにできない。
 良かれと思ってしたことが迷惑をかけ、要領の悪い、弱い部分ばかり出る。そういった上手く行かない人生、ハッピーエンドで終われない人生の厳しさを共感してもらいたい。

読者ターゲット

30代以降の方。

A文学会から一言

  本作は、江戸時代中期を舞台にした物語である。だが、時代小説の読み手が期待する、ある種の様式美に満ちているかというと、決してそうではない。作中の人物は、一之進も千代も、限られた選択肢の中で自分の役割に矜持をもって生きているというよりは、状況に小突かれ、そのことに腹を立て、どちらかというと衝動的に生きているように見える。おそらく前代未聞の武家夫妻が物語の中心である。

 

 ゆえあって別れ、それぞれ出家の身となって、熊本から甲州へと、徒歩(かち)で追いかけっこを繰り広げるのだ。歩いて進むからこその、少しずつ目にうつる国土の変化。ほんのわずかしか進めない、自らの足への苛立ち。それが別れた伴侶への切ない怒りに何度も火をつける。追う一之進の視線で読むか、逃げる千代に警告したい気持ちで読むかは自由である。

 出家ののちも手前勝手な二人であるが、人間とはそもそもがこんな存在だったのではないか。それなしでは生きていけない存在に優しくできず、考えなしの決断をしては人を裏切る。終盤に向け、ふくよかで丸みのある群像劇として収束していくころには、思いもかけない仲間意識のようなものを、作中の彼らに抱いていることだろう。

 タイトルの意味が腑に落ちるとき、千代の過ごしてきた時間の長さを実感する、そんな作品である。

ご紹介可能な有効期限

2019年7月31日(水)

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